DIATONE SOUND.NAVI、MZ100シリーズ、10月20日発売!

発売が明日、10月20日に迫り、早くも品薄が懸念されるほど話題が集まっている最新のDIATONE SOUND.NAVI、MZ100シリーズ。10月1日の発表以降、試乗や試聴を何度も重ねその凄さはおおかた理解したつもりだが、なにしろ今回はDIATONE SOUND.NAVIが誕生して以来、初めてのフルモデルチェンジゆえに以前のモデルとはまったくといっていいほど変わっており、一度にみなさんにお伝えするのは無理。今後、何回に分けて詳細をレポートするつもりだが、まずは要点をかいつまんで伝えておく。


新しいDIATONE SOUND.NAVI、MZ100シリーズの変化を端的に表しているのが、カタログ右上に記されている「ハイエンドオーディオ&カーナビゲーションシステム」の文字だ。MZ90シリーズまでは、ここが「オーディオナビシステム」となっている。つまり従来はあくまでもオーディオがメインで、ナビはおまけのような扱い。それがMZ100シリーズでは、オーディオもナビもハイエンドとして、同格に扱われていることを表している。

左がスタンダード・モデル、NR-MZ100、右がNR-MZ100PREMI
そしてキャッチコピーが、彩速よりも美優よりも一文字多い、驚愕の「速・音・美」である。さらに「その存在にすべてのカーナビが嫉妬する。」の挑発的なコピー。さすがにそれは言い過ぎ? の感がなきにしもあらずだが(笑)、発表後、僕の元にも他メーカーからの問い合わせも数多くあり、すべてのカーナビがかなり脅威に感じていることには間違いない。

そんなDIATONE SOUND.NAVI。「速・音・美」の順に説明していくと「速」は、SoCにクアッドコアCPUを搭載したのがキモだ。従来の市販カーナビに搭載されているCPUは、操作レスポンスが速いと言われているものでもデュアルコア。その倍の4つのコアで情報を処理するのだからマルチタスクに強く速いのは当然といえば当然。いわば、力技で速さを身につけたわけだ。

このクアッドコアCPU搭載のSoC「R-Car H1」の採用により可能になったのが、フリック&ドラッグによる地図スクロールやピンチイン&アウトによる地図スケールの縮小&拡大といった地図操作や、検索リスト&楽曲リスト等のドラッグによるスクロール、フリックによるメニューの切り替えなど。そんなスマホライクな操作が可能なカーナビは最近珍しくないが、速さまでスマホライクというのは残念ながら数少ない。DIATONE SOUND.NAVI、MZ100シリーズは、そんな数少ないカーナビの一つである。


次に「音」。元々、高音質には定評があるDIATONE SOUND.NAVIだが、新しいMZ100シリーズは根本から違う。というのも実はDIATONE SOUND.NAVIはMZ60シリーズからスタートしたものだが、ベースはそれ以前のMZ50シリーズ。それを改良して、あそこまで高音質に仕上げたのは見事だが、MZ100シリーズはシャーシから信号や電源の取り回し、各種パーツにいたるまですべてにおいて一から高音質を追求して設計している。

追求したのはこれまで通り聴感上の高S/N感だが、従来とは次元が異なるレベル。MZ90シリーズも、他のカーナビと比べると圧倒的に高S/Nで高解像度だったのだが、それと比べても「今までのなんだったの?」と思えるくらいに高S/Nで高解像度。まさにトップクラスのハイエンド・カーオーディオの領域である。

新機能もいくつかある。まずはハイレゾに対応したこと。といってもサンプリング周波数は44.1kHzにダウンコンバートするのだが、ダウンサンプリングするからといってガッカリしなくていい。入力音源側のクロックとSRC(サンプリングレートコンバーター)側のクロックに同じクロックを使い同期させた同期型SRCやメモリーコレクター方式、程ジッターハイスピードアドバンスドDACマスタークロックなどの技術を合わせたDIATONEハイレゾテクノロジーにより、ジッターのないデジタル再生を可能にしたのだ。ジッターが多いハイレゾのネイティブ再生よりは、ダウンサンプリングしてもジッターのない再生のほうが音が良いことが、MZ100のハイレゾ再生では実感できる。

もう一つ、DVDの5.1chサラウンド再生にも対応した。といっても擬似サラウンドだが、これがよくできている。センタースピーカーが無くてもあるかのごとく定位するし、映像とのリップシンクもバッチリ。後方で音が回る感覚も味わえて、ほとんど5.1ch分のスピーカーを装備したサラウンド再生の感覚である。これが4スピーカーでもフロント2スピーカーのみでも味わえるのだ。

最後に「美」。実は、これがMZ100で最も驚いた点だ。普通、カーナビ・デモカーの試乗中は画面に直射日光が差し込んで地図が見えづらいなと感じることが多々あるのだが、DIATONE SOUND.NAVI、MZ100シリーズに関しては一度もなかった。といっても試乗中、ずっと曇っていたからというわけではない。直射日光が差し込む場面もあった。それでも地図ははっきり見えるのである。

最近、スマホやタブレットではダイレクトボンディングという言葉を聞くが、MZ100シリーズのディスプレイもそれ。従来のディスプレイは液晶パネルと表面のパネルの間に空気の層(エアギャップ)があるため、直射日光が当たるとそれが反射して液晶パネルの画像が見えづらくなっていたのだが、MZ100シリーズに採用したピュアブラック・ハイコントラストモニターは、液晶パネルと表面の強化ガラスの隙間をボンディング材で埋めて一体化した。
直射日光が当たった部分も日陰の部分も見え方はかわらず
さらにガラスの表面にARマルチコート・グレア表面処理を施すことで、反射を抑えてコントラストを大幅にアップ。グレアだから、運転席から見ると助手席の乗員の服とかシートとかリアの窓などが写り込んでいるのが見えるのだが、それでも地図ははっきりくっきり見えているのだからすごい。ただし表面に付いた指紋がこれまで以上に気になるので、液晶クリーナーは常備しておいたほうがいいかもしれない。

新しいDIATONE SOUND.NAVI、MZ100シリーズは従来通り、スタンダード・モデルとプレミモデルの2ラインナップ。今回はオープン価格ではなき希望小売価格が明示されていて、NR-MZ100(スタンダード・モデル)が17万円、NR-MZ100PREMIが24万円(ともに税別)だ。

CLUB DIATONE