パナソニック エナジー社がアイドリングストップ車向け12Vエネルギー回生システムを開発

パナソニックグループのエナジー社が、アイドリングストップ車向けに、車載用ニッケル水素電池を活用した、12Vエネルギー回生システムを開発した。


従来のアイドリングストップ車は、エンジン始動時のセルモーターだけではなく、アイドリングストップ中のエアコンのファンやオーディオなど、すべての電装品の電力をメインバッテリーでまかなっているため、バッテリーに大きな負担がかかっていた。

12Vエネルギー回生システムの概念図
この12Vエネルギー回生システムは、その負担軽減と燃費向上、メインバッテリーの超寿命化を実現するもの。減速時の回生エネルギーを蓄え、その回生エネルギーを電装品に供給できるため、メインバッテリーの負担は大幅に軽減。加えて動力となるアシストモーターへの電力供給も可能な設計で、燃費の向上にもつながるし、メインバッテリーの負担が減ることで、寿命も延びる。エナジー社の試験では、12Vエネルギー回生システムを併用した場合、メインバッテリー単独に比べ、メインバッテリーの寿命が約6倍に伸びたそうだ。
車載用ニッケル水素電池を利用
この12Vエネルギー回生システムは、メインバッテリーと並列で接続するのだが、1.2Vのニッケル水素電池を10本搭載してメインバッテリーと同じ12Vとしてあるので、変圧は不要。同社がハイブリッド車用電池で培った技術をベースに高温環境での充電効率や耐久性を向上しているので、エンジンルームへの設置も可能な設計だ。

最近、アイドリングストップ車に社外品のハイパワーアンプを積んだ際、信号待ちで停車し、再スタートする度にパワーアンプにプロテクトがかかって、音楽が途切れてしまうというトラブルもちょくちょく耳にするようになった。あるショップで、電源電圧を測ってみたところ、クルマによっては再スタート時に8Vまで電圧が落ちているクルマもあるという。ということもあって、現時点でアイドリングストップ車(とくにマツダ車のトラブルが多いと聞く)に社外アンプを搭載するのは、けっこう危険な状態なのだが、そんなトラブルも、この12Vエネルギー回生システムがあれば解決できるかも。早くアイドリングストップ車へ標準装備されることを望みたい。

パナソニック エナジー社