富士通テンがAndroid車載端末の試作機をCESに参考展示

富士通テンが開発に取り組んでいる次世代車載端末の一つとして、スマートフォンでおなじみのプラットフォーム、Androidを採用した試作機を、米ラスベガスで開催中(1月6日〜9日)の国際家電見本市=2011 International CESで参考展示している。(2011/1/7)

このAndroidを採用した試作機には、NVIDI製のモバイル・スーパーチップ「Tegra2」を搭載。モバイル用端末としては初めてのデュアルコアCPUと3D対応の強力なGPUを搭載し、1080pの動画再生も可能な処理能力を持つうえに、消費電力が少ない高性能チップのおかげで、試作機にインストールしたゼンリンデータコムのナビアプリ「いつもNAVI」や、YouTubeなどのメディアプレーヤー・アプリが快適に動いているという。


ネットワーク接続のための機能がプラットフォームに標準化されているAndroidだから、車内でさまざまな通信サービスへの接続が容易にできるし、メディアプレーヤーをはじめ、カーナビ以外の様々なコンテンツを搭載可能。またPHV(プラグイン・ハイブリッド)やEV(電気自動車)の普及が今後進み、給電スタンド情報や航続距離の計算など、それに対応したネットワークサービスの進展が見込まれる。という意味では、車載端末へのAndroidの採用は、コンテンツ制作の容易さも含めて、通信対応AVナビの発展形として、ある意味、理想的といえるだろう。

ただし、いくらハード&ソフトが優れているとしても、問題は通信コスト。今、スマートフォンを含む携帯電話は必須なわけで、その通信費用を払ったうえで、さらにAndroid車載端末の通信費を払うのはユーザーの負担が大きい。すでに売られている通信対応カーナビで、通信の利用者がいまいち増えていないのは、やはり通信コストの負担が大きいといえる。そのへんをどうクリアできるか。Android車載端末の成功は、そのあたりにかかっていると思う。